執行役員規程モデル

執行役員規程

第1章 総  則

(目的および適用範囲)
第1条 本規程は、株式会社○○(以下「会社」という。)の執行役員の就任および退任、担当業務、義務ならびに報酬および待遇に関する基本的事項を定める。
② 前項にかかわらず、取締役が執行役員を兼務する場合には、取締役に対して適用される法令、定款、その他会社諸規程の適用が本規程に優先する。

(執行役員)
第2条 執行役員とは、取締役会で選任された会社の業務執行を担当する経営幹部をいう。
② 取締役社長は、業務執行の最高責任者として、会社業務全般を統括、執行する。
③ 取締役社長のほか、執行役員の役位として副社長執行役員、専務執行役員および常務執行役員を設けることができる。役位の決定は取締役会の決議をもって行う。

(取締役会決議の優先)
第3条 執行役員の担当業務および具体的な待遇等については、本規程に定めるほか、取締役会の決議による。
② 就業規則は、特に本規程で準用する場合を除き、執行役員には適用されない。
③ その他会社諸規程が執行役員に準用されるにあたっては、取締役会の決議が優先する。

第2章 就任および退任

(選任)
第4条 執行役員の選任は、取締役会の決議による。
② 執行役員は、取締役と同様の法定の要件(会社法331条1項および独占禁止法13条)を備え、その職責を全うすることのできる者でなければならない。

(執行役員就任承諾書の提出)
第5条 執行役員に選任された者が就任を承諾したときは、速やかに所定の執行役員就任承諾書を会社に提出しなければならない。
② 前項の規定は、執行役員が重任した場合にもこれを準用する。
③ 執行役員の就任の日は、取締役会で決定した日付とする。

(従業員の身分との関係)
第6条 従業員である者が執行役員に就任したときは、前条第3項の就任日の前日をもって従業員としての身分を失い退職とし、従業員退職金規程により退職金を支給する。
② 労働基準法、社会保険法その他法令の適用については、各法律の定めるところによる。

(退任)
第7条 執行役員が次の各号のいずれかに該当する場合は、自動的に退任し、執行役員としての身分を失う。
1.任期満了
2.辞任
3.死亡
4.解任
5.第4条第2項に定める資格の喪失
6.監査役、監査等委員への就任

(任期)
第8条 執行役員の任期は、就任後○年以内に終了する事業年度のうち最終のものの末日までとする。

(退任後の処遇等)
第9条 執行役員を退任したときは、会社と新たに雇用契約を締結しない限り、従業員としての身分を有しない。
② 会社は、退任する執行役員に対し、在任中の職位又は功績等を勘案し、顧問、嘱託等を委嘱することができる。
③ 執行役員を退任する場合は、担当業務の引継ぎを完了し、かつ退任後も、その在職期間中の業務執行について責任を負うとともに、会社が必要と認めたときは会社に協力しなければならない。

(辞任)
第10条 執行役員を辞任する場合は、1ヶ月前に取締役社長に届け出るものとする。ただし、特段の事由がある場合はこの限りではない。

(懲戒および解任)
第11条 執行役員が次の各号のいずれかに該当する場合は、取締役会の決議により、当該執行役員を懲戒または解任することができる。
1.執行役員として不正、不当または背信を疑われる行為があったとき
2.執行役員としての適格性に欠けると認められるとき
3.従業員就業規則の懲戒事由に該当するとき
4.執行役員の業務執行の過程またはその成果が不十分であり、かつ取締役会が本人を引き続き執行役員の地位におくことが不適当であると判断するとき
5.第17条の規定に違反する行為、その他執行役員としてふさわしくない行為または言動があったとき

第3章 担当業務

(担当業務)
第12条 執行役員は、取締役会の決議に従い取締役社長の指揮の下、担当業務の執行を行う。
② 取締役会は、その決議により執行役員の担当業務、その他の事項について変更することができる。
③ 取締役会および各取締役は、執行役員の業務執行を監督する権限を有し、その責任を負う。

(報告)
第13条 執行役員は、定期的に担当業務の執行状況を取締役社長に報告しなければならない。
② 執行役員は、取締役または監査役から調査、報告あるいは説明を求められた場合には、速やかにこれらを行わなければならない。

(取締役会への出席)
第14条 執行役員は、取締役会に出席を求められたときには随時出席し、担当業務の執行状況についての報告および説明をしなければならない。

(法令等の遵守)
第15条 執行役員は、本規程に定める事項に加え、法令、定款、会社諸規程、株主総会決議および取締役会決議を遵守しなければならない。

(忠実義務等)
第16条 執行役員は、経営責任者の一翼を担うことを自覚し、他の模範となるよう常に研鑽を重ねて誠実かつ忠実に執行役員としての職責を全うする義務を負う。

第4章 義  務

(禁止事項)
第17条 執行役員は、次の各号に掲げる行為をしてはならない。
1.法令、定款、その他会社諸規程に定める義務に違反すること
2.取締役会の承認なく、自己または第三者のために会社の事業の部類に属する取引をすること
3.取締役会の承認なく、自己または第三者のために会社と取引すること
4.取締役会の承認なく、会社に自己の債務を保証させることその他第三者との間において会社と自己との利益が相反する取引をすること
5.業務に関し、不正または不当な個人的利益を享受すること
6.業務上知り得た秘密を正当な理由なく会社の内外に漏洩または開示すること
7.会社の名誉、信用を害するような行為または言動をすること
8.その他会社の利益を害する一切の行為および執行役員の職責に違背する行為

(個人的利益の返還)
第18条 執行役員が業務に関し、不正または不当な個人的利益を得たときには、その利益を会社に返還しなければならない。

(損害賠償)
第19条 執行役員が、故意または重大な過失により、もしくはその職責に違背した行為により会社に損害を生じさせた場合、当該執行役員は、その損害の全部または一部を会社に対して賠償するものとする。
② 執行役員が、本規程に反する行為または不作為により会社に損害を生じさせた場合も前項と同様とする。

第5章 報酬および待遇

(報酬)
第20条 執行役員の報酬および賞与は、取締役会の決議による。ただし、取締役会はその決定を取締役社長に一任することができる。

(出張、慶弔見舞)
第21条 執行役員の出張、慶弔見舞に該当する事項については、取締役に関する規定を準用する。

(改廃)
第22条 本規程の改廃は、取締役会の決議による。

附  則

(実施)
第1条 本規程は○○年○月○日から実施する。


精選 執行役員規程と作り方
荻原 勝
経営書院
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